この記事では『思い出のマーニー』は杏奈の妄想なのか、何を伝えたいのかも含めてストーリーを解説していきます。
『思い出のマーニー』とはスタジオジブリ作品であり、米林宏昌さんが監督を務めています。
外国文学をもとに作成されていますよね。
12歳の「自分は愛されていない」と思っている”杏奈”が、謎の少女”マーニー”と過ごしていくうちに「自分は愛されている」と気づいていく物語となっています。
色んな登場人物との触れ合いを含め、杏奈の心が成長していくのを一緒に感じられる作品です。
ただネットの意見が沢山上がっているのと、一度観ただけでは中々理解しづらい作品になっているので視聴者の中にはやきもきしている方もいるようです。
『思い出のマーニー』は杏奈の妄想なのか、何を伝えたいのか、ストーリーも解説していきます。
Contents
思い出のマーニーは杏奈の妄想?
来週、「思い出のマーニー」が金曜ロードショーで放送らしいので、アイコンをマーニーに
マーニーが可愛いすぎるし、内容も優しい静かなお話で私は好き。あと、周りに上手く馴染めずに悩む不器用な主人公の杏奈に少し共感できる。
そして、もうタイトルがね、、涙#思い出のマーニー pic.twitter.com/NLZ5uT6zMe
— Anne (@Annelove415) January 6, 2023
少女の姿で現れるマーニーと杏奈は本当に交流があり、共に過ごしていたのでしょうか。
過去の記憶と思われるシーンも何度も登場し、杏奈自身もマーニーのことを「想像で作り出した」と言った発言をしています。
このことから杏奈はマーニーの存在を現実ではないと認識しているようです。
小さい頃に祖母であるマーニーから体験談を聞かされていて、そのお話の記憶が断片的に残っていたのだと考えられます。
療養先の土地で屋敷を見てその記憶が夢や妄想の世界で蘇り、現実世界と混同してしまったのではないでしょうか。
精神的に不安定な杏奈が現実逃避をしていたのかもしれませんね。
思い出のマーニーは何を伝えたいのかストーリーを解説
「私は私のことが嫌い」ではじまるところから
「あなたのことが大好きよ」に変わるマーニーの正体は祖母であるが、過ごした思い出の中のマーニーは杏奈自身でもある。
“あなた”というのはつまり自身のこと。自分を抱き締めることで俯いた顔を上げて、世界が広がっていく物語#思い出のマーニー pic.twitter.com/NWR409zU0e— (@s2pomou1th) April 3, 2020
『思い出のマーニー』は一度観ただけでは深く理解することができない作品となっています。
ではこの作品は一体何を伝えたいのでしょうか?
意見としてはこの様にあげられていました。
- 親友や友達は探せば必ずいる
- 幽霊、地縛霊はいる
- 家族関係に病んだ少女が祖母や母、養母の愛を知り元気になる
- 愛情の大切さを教えてくれる
- 誰にでも自分の事を大切に想ってくれる家族や周りの人がいることを教えてくれる
杏奈がマーニーとの交流を通じて忘れてしまっていた愛情を再び思い出す内容となっているので、主には愛情の大切さを伝えてくれているのだという意見でした。
これらの意見も踏まえてストーリーを解説しつつ、詳しく見ていきましょう。
無償の愛?有償の愛?
杏奈は育ての親が補助金をもらいながら自分を育てているという事を知ってしまいますよね。
杏奈自身は「親は子供に対し無償の愛情を注ぐものだ」と思っているので、それは有償の愛なのでは?
もしお金をもらわなければ愛してくれないのではないのか?と感じてしまうわけです。
その様に感じてしまうのは「誰かに愛されている感覚」を杏奈が忘れてしまったからなのだと思います。
”普通”の子と”普通じゃない”自分
誰かに愛されている感覚を忘れてしまった杏奈は、他人と自分を比べてしまいます。
本当の両親に育てられている、無償の愛を受けている子は「普通」の子。
本当の両親に育てられていない、有償の愛を受けている自分は「普通じゃない」。
その様な思い込みを抱え、短い夏の期間に喘息療養のために釧路にある親戚の家で過ごすこととなります。
もちろん私たちからしたら杏奈の育ての両親は血のつながりがなくてもきちんと親ですし、無償の愛とか有償の愛とかそもそもお金と親の愛情は全く別の話ですよね。
ですが杏奈自身はそうは思えずに、それをコンプレックスとして抱いてしまうわけなんです。
そんなコンプレックスに触れられたくないがあまり、人に深入りしてほしくないと人を遠ざけてしまうのです。
そんな中、杏奈は見知らぬ北海道の地でマーニーと出会います。
マーニーとの交流を経て
杏奈は海辺の村で「これこそずっと自分が探していたものだ」と感じる古い屋敷を見つけます。
そこは長い間無人のはずなのに、屋敷に住むという不思議な少女マーニーと出会います。
杏奈はすぐにマーニーと友達になり、補助金のことなど自分の悩みを打ち明けるのです。
2人は友情を育んでいくのですが、杏奈はマーニーから突然の別れを告げられます。
マーニーと別れた後の杏奈は少しずつ人と接せられるようになり、マーニーはきっと自分が想像で作り上げた存在なのだろうと思うようになっていきました。
しかし湿地屋敷に引っ越してきたリンジー家から「マーニーの日記」について教えられます。
その後色んな繋がりを経て、なんとマーニーは杏奈の祖母であるという結論に至るのです。
そうしてマーニーとの交流や色んな人と関わっていくうちにどんどん杏奈は悩んでいたことがどうでもよくなっていきます。
杏奈の育ての親はお金をもらっていることを杏奈が知ると傷つくかもしれないと恐れ、杏奈には黙っていたのですがそのことも育ての親から打ち明けられます。
「知ってた。言ってくれたことが嬉しい。」というセリフから、杏奈は大きな心の荷物を降ろしたことが伝わってきますよね。
そうして自分でも知らない間に母や祖母への憎しみの感情も無くなっていることも気づきます。
自分が思っていた以上に周りから愛情を注がれており、自分は愛されているという事に気づくことができたのです。
これらを踏まえて『思い出のマーニー』は何を伝えたいのか。
杏奈は自分が目に見えない魔法の輪の外側にずっといるのだと感じていました。
ですがそれは自身の思い込みやコンプレックスなど心の中の問題であり、有償無償や近くに誰かがいるというのは関係ない。
自分だけが苦しいのではなく、一見幸せそうに見える人ももしかしたら悩みを抱えているのかもしれない。
幸せでいたいのであれば、自ら幸せになろうと笑顔で前を向くことの大切さを伝えてくれているのではないでしょうか。
>>思い出のマーニーの信子はいい子?太っちょ豚と言われた理由はなぜ?
まとめ
もっとジブリ好きさんと繋がりたい✨
#ジブリ好きな人と繋がりたい
#思い出のマーニー pic.twitter.com/PsAZZex0Dl— 海月 (@C5HbeFOkoq6oMku) January 7, 2023
『思い出のマーニー』は杏奈の妄想なのか、何を伝えたいのかも含めてストーリーを解説させていただきましたがいかがでしたでしょうか。
一度観ただけではなかなか理解できない内容となっているので、何度も何度も見返してようやく理解できたという人も多いようです。
また原作を通じて深く理解されている方も沢山いらっしゃいますよ。
大人になってから時々落ち込んでしまったり、自己肯定感をなくしてしまう事もあるかと思います。
少し重たい内容かもしれませんが、そんな気持ちになった時に見返してみると自己肯定感を改めて思い出させてくれる作品だと思います。
米林監督にとっては2010年公開の『借りぐらしのアリエッティ』以来の作品となり、米アカデミー賞にもノミネートされています。
杏奈もマーニーも2人ともとても可愛いですよね!
『思い出のマーニー』は杏奈の妄想なのか、何を伝えたいのか。
それらを含めたストーリー解説を最後までご覧いただきありがとうございました。