テナーサックスでロングトーンをするとき、思うように息が続かないことありませんか?
テナーサックスで良い音を出すための基礎中の基礎とも言えるロングトーン。
おすすめの練習法や息継ぎのコツはあるのでしょうか?
長い時間音を出すためには、吹く前に息をたくさん吸えばいいんだよね?って思うけどやってみると息が続かない。
普段の呼吸法と楽器を吹くときの呼吸法はどのように違うのか気になりますね。
そんな疑問を解決しつつ、安定したロングトーンができるようになる練習法や息継ぎのコツを紹介していきます。
Contents
テナーサックスのロングトーンが続かないのはなぜ?

みなさんはロングトーンは何のために練習していますか?
部活で基礎練習に組み込まれているから?
それとも音程を確かめるためですか?
ロングトーンは同じ音を長く一定に響かせる奏法です。
テナーサックスは楽器に息を直接吹き込んで音を出します。
そのため吹き込む息の強さやスピードによって音程や音量が変わってしまいます。
これは何が言いたいかというと、息の強さやスピードが一定になっていないと上手く音が出ず、ロングトーンが続きません。
逆に考えれば、ロングトーンが続かないのは一定の強さやスピードで息を入れる、吹き方の技術が足りていないからなんですね。
ロングトーンが続かないときのチェック項目
サックスはマウスピースを通して楽器に息を吹き込みます。
そのためロングトーンをするのに息を思い切り入れればいい、という単純なものではありません。
ほかの楽器にも言えることですが、きれいな音を出すためには口で息の入れ方を調整する必要があります。
まずは吹くためのテクニックの前に、楽器のセッティングは問題がないか確認してみることをおススメします。
次の項目をチェックしてみましょう。
- リードが硬くて抵抗が大きい
- マウスピースを深くくわえている
- マウスピースの開きが広く息がたくさん入る
上の項目に当てはまる場合は次のように逆のことをしてみましょう。
- リードを柔らかいものに変える
- マウスピースを浅くくわえる
- マウスピースの開きが狭いものに変える
演奏する曲のジャンルにもよりますが、リードの硬さは硬ければ良いというものではありません。
楽器を吹き始めたころは2 1/2などからリードに慣れていく方が多いですよね。
ハリのある音を出したり、高音域をしっかりと出したい場合は硬めのリードを選ぶことが多いですが、口に無理な力が入るようであれば柔らかいものに変えてみるといいでしょう。
無理に吹いてアンブシュアが悪くなってしまっては元も子もありません。
まずは正しいアンブシュアをキープするためにも、音の出しやすい柔らかいリードでロングトーンを練習してみましょう。
おススメのマウスピースは?
マウスピースによってビックリするくらい吹きやすさが変わります。
テナーサックスを購入した際についてくるマウスピースを使っているなら、一度は別のマウスピースを試してみることをおススメします。
私自身、もともとついていたマウスピースから別のマウスピースに変えたとき、吹きやすさの違いにビックリしたものです。
それくらいマウスピースによって吹きやすさや音が変わってきます。
なので自分の出したい音や音楽のジャンルによってマウスピースを選ぶことが大切です。
まだ迷っているという方はジャズやクラシックなど、どんなジャンルでも対応できる「ハードラバー」と呼ばれるエボナイト製のマウスピースがおススメです。
とはいえ、マウスピースには多くの種類があるので定番のマウスピースをご紹介しますね。
セルマー S90 170
初心者から上級者まで愛用する人が多く、幅広い演奏者に支持される万能なマウスピースです。
ジャンルを選ぶことなく幅広く演奏することができます。
マウスピースの先端の開きも小さく、軽い息で音が鳴らせるため入門者にもおススメです。
セルマー S80 C*
吹奏楽の定番モデルといわれるマウスピースです。
鳴らしやすくジャンルも選ばないため、最も標準的なモデルといわれています。
そのほかにもマウスピースには種類があるので、素材別の違いやお手入れ方法についてはこちらの記事も参考にしてみてください。
テナーサックスの練習法と息継ぎのコツも紹介

では基本のロングトーンの練習法を確認してみましょう。
ロングトーンというくらいなのでどれだけ長く息を出せるかが大切になりますね。
当たり前ですが、一気に息を出してしまうとすぐに息が切れてしまいます。
まずは次のことを意識してロングトーンの練習をしてみましょう。
- 音の出しやすい中音域から始める
- 同じ太さの息をイメージして吹き続ける
- メトロノームを使って8拍吹く(息が切れないようになるまで)
低音域にいくほど音を鳴らすためには多くの息が必要になります。
そのため、まずは音の出しやすい中音域からロングトーンを始めるといいでしょう。
8拍途切れずに音を出すことができるようになったら1音ずつ下げていき、低音域のロングトーンも練習して安定した音を目指していきたいですね。
ロングトーンができるようになってきたら息継ぎもコツを覚えていきましょう!
息継ぎのコツはシンプルです。
息が残っているとほとんど息が吸えないので、まずは全部息を吐き出します。
そうすると息がたっぷりと吸えるようになりますよ。
そのほかにもテナーサックスを練習する上で大切なことについても解説していきます。
吹く前の下準備をする
直接的に関係ないと思われがちですが、まずはしっかりと運指の確認をしましょう。
楽器に息を吹き込まないと何も始まらないと思われがちですが、運指をきちんとチェックすることは演奏をする上でとても大切です。
自分では運指をきっちりと覚えたつもりでも、いざ楽器を手にすると思ったように指が動かないものです。
変に力んでしまったりして思い描く音が出なかったりします。
そのためにもテナーサックスを吹く前に運指の確認と指のストレッチをしておきましょう。
ロングトーンとは直結する練習法ではないかもしれませんが、のちのち効いてきますよ。
マウスピースから口を離さない
息継ぎをするときにマウスピースから口を離していませんか?
音が安定しないという方は息継ぎをするときに上の歯をマウスピースから離して、急いで咥え直している可能性が高いです。
このように口を離してしまうと息継ぎのたびにアンブシュアが崩れてしまうので、マウスピースから口を離さないように意識しましょう。
口の両端から息を吸い込むイメージで息継ぎをします。
適度に力を抜いて演奏する
ロングトーンを意識して息継ぎをしたあとに気合いを入れて吹きすぎていないか確認してみてください。
初心者によくあるのですが、力んで吹くと「ピィー」というようなリードミスをしてしまいます。
息をしっかり吸い込んだあとは一度止めてから「トゥー」というイメージで息を入れてみてください。
適度に力が抜けてリードミスが減るはずです。
リラックスして吹くことを心がけましょう!
管楽器の演奏に肺活量は必要?
吐く息の量をコントロールすることができれば、効率よく音を出すことができます。
逆に言えばコントロールができていないと息を過剰に入れないと音を上手く出せていないとも言えますね。
サックスのように管楽器を吹くために重要なことは、息を吸うことよりも吸った息をどう吐くかということです。
超一流と言われるサックス奏者の肺活量を測ったら一般人と同じ、もしくは一般人の数値よりも低かったなんて話もあるくらいです。
肺活量を鍛えることばかりに気を取られずに息を吐く練習を続けることが大切なのかもしれませんね。
まとめ

テナーサックスロングトーン続かないときの練習法や息継ぎのコツについて紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
部活動をやっていると必ず練習するロングトーンですが、趣味でテナーサックスを演奏していると楽しい練習とは言えないですよね。
すぐに効果が出るわけではないですが、ロングトーンはとても重要です。
ご紹介した練習法をしっかりおこなうことで、続かないロングトーンがいつのまにか続くようになっているはずです。
息継ぎについてもコツはいたってシンプル。
しっかりコツを押さえて素敵な演奏ができるようになりたいですね。